産婦人科に転職する前に知っておくべき基礎知識を紹介します。まずは仕事内容を理解し、この仕事のメリット・デメリットを把握した上で自分に適しているかどうかを判断しましょう。特殊な診療科なので、業務で求められるスキルも事前に確認しておいてください。多岐に渡るスキルが求められるので、転職後も常に学び続ける姿勢が必要です。年収なども確認し、今の仕事と比較して本当に転職する価値があるかどうかを見極めましょう。
産科では妊婦や母子の身の回りの世話や分娩のサポートをします。健康管理やバイタルチェック、診察の補助、育児に関する相談にも応じます。出産後も母子の健康状態を確認し、無事に退院できるまで経過観察を行います。婦人科では患者の状態観察や様々な処置を実施します。手術室へ患者を送り、術後には今後の流れや注意点などを説明します。新しい命が生まれる瞬間に立ち会える点が産婦人科ならではの大きなやりがいですが、デリケートな悩みを扱うケースも多いので十分な配慮が求められます。
産科に向いているのは子どもが好きな人です。小さい子どもは泣くことが仕事です。それに対してイライラしているようでは務まりません。また、出産前後で精神的に不安定な母親に対し、大らかな態度で接する寛容さも必要です。婦人科で働く場合は、優しさと同時にある程度の厳しさも持ち合わせていなければなりません。他の診療科と連携を取りながら治療を進めていくため、チームワークを重視して業務に取り組む姿勢も求められるでしょう。
産婦人科に訪れる人は様々な不安を抱えています。長期の治療になるケースも多いため、患者との信頼関係が重要になってくるでしょう。そこで大切なのが患者に寄り添う姿勢です。また、分娩は助産師が中心になって行われますが、それをサポートする看護師にも妊娠や出産に関する知識が求められます。専門的かつ特殊な分野なので常に新しい知識を学ぶ姿勢も必要です。落ち込んでいる患者を支えるために、看護師としての精神的な強さも求められるでしょう。
産婦人科看護師の年収は勤める医療施設の種類によって若干変動します。総合病院の場合、基本給に加えて各種手当があります。夜勤に入ればその分多くの収入を得られるでしょう。相場は年収450~470万円ほどです。産科クリニックは施設によって年収が大きく異なります。高所得者向けで経営状況が良好な施設なら、その分年収も高くなるでしょう。レディースクリニックや不妊治療専門クリニックは夜勤がないので、他の施設と比べると年収は低くなります。
産科で働いた後、小児ケアに興味を持って小児科に移る看護師も少なくありません。また、婦人科で患者のケアに従事した後、手術室看護師に憧れて手術室勤務に移ったという人もいるようです。産婦人科看護師のキャリアとして最も多いのは、助産師になるルートです。助産師になるためには資格を取得せねばなりませんが、常勤で働きながら養成機関に通うのは困難です。そのため、資格取得支援制度のある職場に転職するケースが多いようです。