総合病院の産科外来に訪れる患者は「個人病院で出産するのは不安が大きい」という人が多いようです。予定帝王切開や無痛分娩、あるいは持病を持っているケースも考えられるため、難しい症例を経験することもあるでしょう。基本的には他の診療科と同様の業務内容で、医師のサポートや検査などを実施します。診察台が高い位置にあることが多いため、妊娠後期の診察では十分な配慮が求められます。なお、分娩に立ち会うことはないため、病棟と比べると患者との関わりは浅いといえます。基本的に予約制ですが待ち時間が長くなるケースが多いため、常に患者の様子に気を配らなければなりません。また、夜勤がなく比較的残業も少ない傾向にあります。
産科病棟には正常分娩以外の妊婦が多く入院しています。他の診療科と連携を取れるため、個人病院では対応しきれないような出産に立ち会うケースも少なくありません。患者の清潔ケアやバイタルチェック、服薬管理、観察などを行いますが、産科では産後のケアも実施します。授乳指導や授乳時間の管理、新生児の健康管理、オムツ交換の指導なども看護師が行います。小児科と連携するために情報共有や観察報告を行うこともあります。患者の自立度が高いため、体位交換などを行う機会は少ないでしょう。病棟なので夜勤はありますが、緊急対応を行う機会は少なく残業もそこまで発生しないようです。
婦人科外来に訪れる患者は個人病院からの紹介や健診で異常が見つかった人が多い傾向にあります。そのため患者は大きな不安を抱えています。腫瘍や不妊治療などデリケートな症例を扱うケースも多いため、看護師としてきめ細やかな配慮が求められるでしょう。婦人科外来は検査を行う機会が多いので、採血や診察室への誘導が主な業務となります。患者の年齢層は幅広いため、相手の年代に応じて適切なコミュニケーションを取る必要があります。
婦人科病棟は急性期の中でも特に忙しく、手術件数も多いです。患者の回転が速いので一人ひとりの患者に接する時間は少ないでしょう。婦人科が扱う症例は多岐に渡ります。手術療法以外にも化学療法や放射線療法を用いて治療を行うケースも少なくありません。術後の対応や管理なども看護師が主体となって行うため、様々なスキルが求められます。多忙な部署なので残業も多くなりますが、女性同士にしかわからないデリケートな部分をサポートし、精神的な支えとなれることに大きなやりがいを感じられます。